「私事で恐縮ですが」

 まず、今日はカナダ語学研修のレポートは、学校のHP本体でさせていただきますので、そちらをご覧ください。

 私事で恐縮ですが、人事異動のことを報告させていただきます。
 長野県教育委員会の発表にありましたように、4月から蘇南高校校長には村松義晴先生(現・池田工業高校)が赴任されます。
 私はこれまで3年間、蘇南高校で、すばらしい生徒の皆さん、先生方、保護者・地域の皆様と一緒に、本当に充実した日々を過ごしてきました。これで南木曽での生活に区切りをつけることになります。

 プレス発表で「退任」と出ていたので、驚かせてしまったと思います。その事情を説明させてください。
 この3年間はコロナ禍のなかで必死に未来を模索した歳月でしたが、同時に、こんなにも高校生には可能性があるのだということに感動する連続でした。その感動が積み重なるほどに、蘇南高校の校長の任を終えるときは、高校生に直接授業ができる教諭に戻りたいという思いがつのるようになりました。

 もちろん校長の責任を残り4年全うすべきという考えとの間で逡巡しました。しかしこの蘇南高校の日々で私が学んだことは、学校を動かすのはやっぱり「生徒と先生方」だということでした。私が思い切り理想の学校づくりに情熱を傾けることができたのは、「生徒と先生方」に恵まれたからこそです。
 そこで、4年後ではなく今ここから、自分が懸命に研究している世界史のことを生徒に日々授業をしたり、生徒ひとりひとりのキャリアデザインを支援したりする立場に身を置いて、残りの人生を使おうと決意しました。
 
 舌足らずな説明で申し訳ありませんが、以上のような思いの中で、希望降任制度というものを使って、4月から「教諭」として新たな挑戦をする予定です。これからの地球市民を育成する歴史教育を考案・実践していきます。そして自宅の農園の手伝いを本格化させながら、21世紀の人々のいのちを支える「農」を担っていくつもりです。
 卒業式の式辞で、「皆さんが『開拓者』であるかぎり、必ず仲間と出会う。私もその仲間であり続ける。」と宣言したとおり、開拓者でありつづけたい、そう思っています。

 もちろん3月31日まで蘇南高校の教育実践を全力で遂行します。あふれる感謝の思いはここには書ききれませんので、ゆっくり述べさせてください。
 では、これからもどうかよろしくお願いいたします。

「私事で恐縮ですが」