「2年生全員が長崎の地でウクライナ戦争に思いをはせながら平和を祈る」

Posted by 蘇南高等学校長. 2022年11月08日19:53
 本日、2年生が長崎修学旅行に出発しました。
 コロナ禍のなか、生徒全員が早朝に集まって元気に旅立ったことを、心からうれしく思っています。


 コロナ流行の狭間を予想してこの時期に修学旅行を設定しました。世の中はまさに第8波の始まりとも言え、どうか全員が無事に帰ってきてほしいと祈る思いです。

 一行はセントレア空港から福岡空港に入り、バスで長崎に到着しました。


 事前に被爆者の証言を学習していますので、そのことを心に刻みながら原爆資料館を見学し、皆で作った千羽鶴を奉納しました。
生徒会長の亀山さんが次のような「平和の誓い」を読み上げました。

――「日本を最初で最後の被爆国にする」この願いは核兵器禁止条約として全世界に届けられたはずなのに、まるで無かったかのように核、さらには戦禍が広がる脅威が目の前にあります。現在ウクライナを侵攻したロシアの大統領のテーブルには核のボタンがあるというニュースが世界中で報じられています。また、核を保有する国や核兵器の保有数が減る兆しは見られません。
世界中が混乱している中、私たちにできること、それは関心を持つことです。一人の高校生が持つ力はとても微力です。しかし小さな力が集まれば世界を変える大きな力になります。かつてのアメリカで若者の力が戦争を終わらせるきっかけになったこともありました。しかし、多くの人が間違った情報を信じたことで引き起こされた戦争もあります。関心を持ち続けることだけでなく、情報が正しいのかどうか考えることも必要です。
 原子爆弾によって亡くなられた方々、さらには太平洋戦争で亡くなられた全ての戦没者に対して哀悼の意を持って黙祷を捧げ、今後永久的に戦争や核兵器によって悲しむことのない自由で平和な社会になることを切に願います。私たちは様々な戦争の教訓を次の世代へ正しく伝え、恒久平和の実現を誠実に希求することをここに宣言します。





反戦運動が盛んになったアメリカが、のちに過った情報をもとに戦争を行ったという歴史や、ウクライナ戦争の現実をふまえた、深みのある「平和の誓い」になっています。

 世界に再び核爆弾が投下されるかもしれない今、長崎で平和について考えたことが、彼ら/彼女らのこれからの人生に「記憶の羅針盤」のようなものになってほしいと、私は切に思いました。