「生徒がろくろ工芸品を創作する」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年01月14日20:20
 2年美術では、南木曽の伝統的な特産品である「ろくろ工芸」にチャレンジしていると、以前にも報告しました。伝統工芸士の小椋一男、酒井高男の両先生にご指導をいただきながら、生徒たちは機械で回転させた木片を鑿などで削り、皿とオブジェを創作しました。

 だいぶ作品が仕上がってきて、よくここまで薄い皿の曲線美を造形したと感心させられます。神経をとぎすませて美しいラインを創り出すことに全集中したのでしょう。

 オブジェのなかにはカラフルなこけしもあり、「草間彌生こけしのよう」と私が言うと、ズバリ正解でした。草間さんのかわいらしさが、巧みに表現されていて面白い。

 今回、先生たちが生徒に与えてくださった木材は、栓(セン)と栃(トチ)といった軟らかめの樹木でした。木目がくっきり浮かび上がっている栓と、木目がかすんでいる栃は、とても対照的。そしてお皿にしてもオブジェにしても、その木目の形状をどのように作品のなかにいかしていくかが計算されているのです。

 自然の美を極限までひきだす伝統工芸士の匠の技に、私は心から感動します。