「長崎での生徒のスピーチ」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年11月10日17:59
 昨日から2年生は長崎修学旅行を実施しています。コロナの時代ではあるけれども、全員が飛行機に乗って長崎の地に立てたことが、奇跡のように思えます。

 一日目は、平和公園と原爆資料館の見学でした。死没者追悼平和記念館で、生徒たちが黙とうを捧げ、その際に生徒会長の上野さんがスピーチをしました。その一節は次のようなものです。

――採択されただけでは、(核兵器禁止)条約は力をもちません。本当に力を持つためには、それぞれの国が、これを締結する意思を最終的に決定しなければなりません。(……)原爆は「人の手」によって作られ、「人の上」に落とされました。だからこそ「人の意志」によってなくすことができるはずです。(……)歴史を学んで戦争が何をもたらしたのかを知り、決して無関心にならないこと。本当に微力ですが、今これが私たちにできることだと思います。
 
 生徒が長崎から来てくださった田平さんの被曝証言の語り継ぎを聞いたり、準備学習を進めたりしながら考えた、心のこもった決意表明であると、私は受け止めました。

 二日目は、佐世保に移動してハウステンボスの見学です。夕方、一旦ホテルに戻して検温をし、今は全員が夜のハウステンボスを楽しんでいます。送られてくる写真の1枚1枚に満面の笑顔が映っています。
 事前の結団式で、私は生徒にこう言いました。
「旅は、日常生活でひとりひとりが築いている『安全圏』が通用しなくなる。だから困ったり、傷ついたりする局面も出てくる。それらを乗り越えて、外の世界を体験するから、人は旅によって成長する。成長した姿で戻ってくることを楽しみにしています。」
 この言葉どおり、2年生全員がひとまわり成長して戻ってくることを、私は心待ちにしています。