「学ぶとは踏み越えていくこと」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年12月27日17:02
 今日は、令和3年の最後の登校日でした。
 全校集会で校長講話と表彰式をzoom配信で行いました。

 表彰式では、コンクール・大会・資格検定で優れた成績をおさめた生徒のべ29名(全校の1/5)に賞状を渡しました。コンクール・大会は、ホームページなどでも折々に紹介してきましたが、工業・商業の資格検定においても、よくぞ頑張ったと拍手を贈りました。
 また、コロナ予防による臨時休業(全県一斉の措置)の際に、家にいるからこそできる自分らしいことに取り組んだ生徒にはブリコラージュ賞を贈ると伝えていました。臨時休業の日数がとても短かったのですが、3名の生徒が取り組みを報告してくれました。世界の生活文化を探究した2名とエッセイを執筆した1名にブリコラージュ賞(副賞つき!)を贈りました。

 校長講話は、対話をしながら学ぶことの大切さを考えました。(全文はホームページにあります。)コンフォート・ゾーン(快適領域)の外のラーニング・ゾーンに踏み出すことが学びであるとよく言われます。学ぶとは踏み越えていくことです。その際、快適さから抜け出すことは時に辛い経験であり、それを支えてくれるのが、学ぶプロセスの中で他者から受け取る「対話のことば」であると私は考えています。
 今年、私は『岩波講座世界歴史第一巻』を出版しましたが、原稿用紙200枚の論文を3回書き直し、さらに2回推敲しました。もう1行も書けなくなるスランプに何度も陥りました。寝られない日々が続きました。そのときに友人や編集者から「きっと書けますよ」と声をかけてもらったことが、救いでした。そして同じように書けないでいる共同執筆者の皆さんに、今度は私が「きっと書けますよ」と声をかけながら、前に進みました。たえず対話をしていたから、私はコンフォート・ゾーンから踏み出せたのだと思います。
 蘇南高校は、「対話のある学び」を創造していく学校だと、生徒に語りかけました。
 
 新しく訪れる令和4年も、対話に満ちた日々にしていきたいですね。