「ジェンダー平等を探究する生徒たち」

Posted by 蘇南高等学校長. 2022年06月14日18:03
 今日は曜日の授業の回数を調整するために金曜日課だったので、午後の3コマが3年生は「総合探究」でした。個人または班で、地域課題を解決するための探究学習を進めるのです。3コマ連続にしているのは、探究テーマに関するフィールドワークに出かけることを可能にするためで、今日も生徒たちはあちこちに出かけていきました。
 「ジェンダー平等」をテーマにしている3人の生徒が、校長室の私のところに来ました。そもそもジェンダーとは何かを学ぶためです。

(1)性とは、「身体の性」「心の性」「好きになる性」「表現する性」が組み合わっているもので、それぞれの男・女の別にはグラデーションがかかっていることを説明しました。「身体の性」ひとつをとってみても、染色体数やXY染色体の数の違いなどで多様な性差が存在しているわけです。
(2)何をもってジェンダー平等が実現すると言えるのかを多角的に考察すべきことを呼びかけました。たとえば校則で制服を皆同じにすれば平等になるというような単純なものではない。「表現する性」を守るためには、校則のみならず校舎の環境も改革すべきだろうし、何より生徒・教員・地域の大人たちの意識改革をはからなければなりません。

 私が折に触れて読み返しているのは、三成美保ほか編『ジェンダー法学入門』(法律文化社)です。これはとても勉強になります。
 ジェンダーについては、多様な人々の考え方を意識しながら、世界の「ジェンダー平等」に向かう潮流をおさえ、どうするのが人々の幸せにつながるのかを考察していかねばなりません。
 ヤル気たっぷりの生徒たちの今後が楽しみです。