「総合探究のバスボム班が富士電機賞を受賞しました」

Posted by 蘇南高等学校長. 2023年02月13日16:23
 先週末の2月11日(土)に中信高校生探究フェスティバルが松本県ケ丘高校で行われました。これは中信地区校長会と県ケ丘高校が主催して、この地区の各高校の探究学習の成果を交流し合う発表会です。

 本校からは、「クマのハザードマップ作成」班(上野さん・藤森さん・原さん・担当は松澤先生)と「地域の特産物によるバスボム開発」班(小川さん・原さん・森畑さん・担当は高橋先生)が参加しました。大雪の交通障害のためにオンライン参加です。
 そしてハザードマップ班が校長会賞を、バスボム班が企業賞(富士電機賞)を受賞しました。特にバスボム班は、サイエンス&テクノロジー部門のすぐれた探究として富士電機さんに評価していただきました。富士電機さんからは、次の点を高くほめていただきました。

・地域の特産物を活用するという地域貢献の視点があること。
・何度もトライ・アンド・エラーを繰り返しながら製品開発をし、それを販売までしていること。
・多くの大人に指導を受け、製品のモニター調査を行い、探究を磨いていること。


私は、長野県を代表する企業の方から蘇南高校の生徒の努力を評価していただき、感激しました。

 ハザードマップ班の探究成果も、地域の人々の未来の幸せのために、過去5年分のクマの出没地点と天候状況を丁寧に調査し、多くの関係者の教えを請いながら、クマのハザードマップを作るという素晴らしいものでした。この班の探究の質についても高い評価をいただいたことは言うまでもありません。

 蘇南高校の探究は、自信をもって「がんばっていますよ」と世の中に言えるようなものになったと改めて思ったのでした。





  


「南木曽町はただの雨でしたが臨時休校を決断しました」

Posted by 蘇南高等学校長. 2023年02月10日15:49
 今日、2月10日(金)は、朝から南木曽町に大雪警報が出て、夜にかけて降雪が強まる天気予報だったため、交通機関の麻痺を予想して、臨時休校の連絡を朝6時25分にオクレンジャーで配信しました。
 実は南木曽町はただの雨降りの一日でしたが、北部の木曽町や木祖村は大雪となり、10時台で北に向かう中央西線もストップし、国道19号線も塩尻・南木曽町南の県境のあいだが通行止めとなりました。臨時休校の判断をしてよかったと胸をなでおろしたのでした。


 13時に令和5年度入学者前期選抜の合格発表をしました。この天候のなか、来てくださった保護者の方々が番号を確認して喜ぶ姿を見て、心が温かくなりました。


 今日のような大雪の予報が出ているときは、前夜は緊張して布団に入ります。今朝は、「しまった!寝坊した!」と布団をはねのけて時計を見ると、まだ5時でした。それだけ心配だったのだと思います。その分、気象庁・ウェザーニュース・NHKなどの気象予報をじっくり比較して決断をくだすことができました。教頭先生も朝6時半に出勤してオクレンジャー配信に備えてくれました。

 ちなみに臨時休校になったので、仕事は暇であったかというとそうではなく、出勤した先生方はここぞとばかり大きな事務仕事をこなし、その相談対応を次から次へとこなしたので、実にめまぐるしい一日となりました。
 金曜日は、いつもであれば飯田市の自宅に帰るのですが、今日は清内路峠の国道256号も通行止め、中央自動車道も通行止めなので、南木曽にとどまることにしたいと思います。




  


「相手の選択をリスペクトする感性」

Posted by 蘇南高等学校長. 2023年02月09日18:01
 今日は、今年度最後の生徒総会をオンラインで行いました。
 以前であれば、冷え切った体育館の中に集まって震えながらやっていた生徒総会も、本部の大講義室と各ホームルーム教室をzoomで結んで、ごく自然にできるようになりました。
 考えてみれば、コロナ禍を乗り越えようとして必死に努力をしたことで、私たちはいくつもの知恵を獲得できたのだと思っています。

 生徒総会の主な議題は、男女バスケットボール部の合同についての議案、蘇峡祭スローガンや企画についての議案などです。
 男女バスケットボール部については、大会参加は別々だとしても男女が一緒に練習をすることが多いため、合同をして「バスケットボール部」にすることにしました。
 蘇峡祭についてはワークショップ形式で取り組みたいことをクラスごとに議論しました。こうしたことができるのも、オンライン形式だからこそのことです。

 最後の校長の話として、今回の制服改革で多様性を認め合うことにしたので、友達が様々な制服の選択をすることを尊重していこうということを呼びかけました。
 「そういう選択もあるんだね、ステキだね」と、相手の選択をリスペクトしていく感性を、蘇南高校の生徒たちは磨いていくことでしょう。
  


「吉田千亜さんの『孤塁』のことばをかみしめる」

Posted by 蘇南高等学校長. 2023年02月08日17:16
 3・11の東日本大震災、それに続く福島第一原子力発電所の爆発事故のとき、福島県双葉郡の消防士たちは、負傷者の救護のほか、制御不能に陥った原子力発電所の冷却のために出動を命ぜられました。
 まさにいのちをかけて職務遂行をすることを余儀なくされたわけです。
 しかしその事実が日本列島の人々に伝えられることはありませんでした。

 そのときひとりひとりの消防士は何を考え、どう行動したのかを、関係者への丁寧な取材を重ねてまとめたのが、吉田千亜さんの『孤塁――双葉郡消防士たちの3・11』(岩波書店)という著作です。このほど岩波現代文庫に収録され、さらに入手しやすくなりました。

 理不尽な状況に立たされた消防士たちは、それでもその理不尽さを真正面から引き受けて、懸命に生きたのでした。
 私は最初にこの本を読んだときに涙を禁じ得ませんでした。そして『岩波講座世界歴史01』の展望論文の冒頭を、この本との対話から始めました。

 文庫版には、「『孤塁』、その後」と題された補章が加わりました。そのなかの次の文章を読んだとき、私は今回も涙がこぼれて仕方ありませんでした。

――建物が解体され、更地が増えた。その一つひとつが、ただの更地ではない。誰かの、家族丸ごとの、人生・暮らしが更地にされている。

  


「南木曽の街のなかで音楽部が演奏会をひらきました」

Posted by 蘇南高等学校長. 2023年02月07日16:54
 コロナ禍を乗り越えて、蘇南高校は、地域の皆さんに本校の生徒たちの活動をお届けする試みを重ねています。

 南木曽の駅前商店街のなかにアサイさんという日用品や介護用品・衣類・靴・本校の制服を販売しているお店があります。アサイさんなくして本校の教育活動は成り立ちません。
 このほど道路の向かい側にアサイ会館という素敵なスペースができ、蘇南高校の生徒たちの活動の場として利用させていただけることになりました。
 
 早速、2月5日(日)午後に、音楽部が「MUSIC CLUB SPECIAL CONCERT」と銘打って、コンサートを開催しました。生徒たちの日頃練習している楽曲を、是非聞いてくださいという思いで7曲を披露しました。予想をはるかに上回る約50名の観客が集まり、アサイ会館は立ち見も出るほどでした。
 オリジナルのパーカーを揃えた生徒たちは、アンコールでテイラー・スイフトの「We are never ever getting back together」を全員で演奏して締めくくりました。


 商店街で高校生が活動を行い、人が集まってくるというのは何とうれしいことでしょう。
 そして蘇南高校の生徒たちが商店街で活動をする「拠点」をアサイさんに提供していただいたことは、画期的なことです。アサイさん、そして親会社の恵雄会さん、本当にありがとうございます。

 3月には美術部がアサイ会館で展覧会を開催します。

 南木曽の街づくりを本校と地域の皆さんが共創していけるよう、頑張ります!





  


「3年生がSBCラジオに出演しました」

Posted by 蘇南高等学校長. 2023年02月06日16:23
 先週の金曜日ですが、SBCラジオの「頑張れ! ものづくり長野の工業高校生!」に、本校の生徒が出演しました。
 工業高校の生徒たちが頑張っている様子が、この時期に毎日紹介される番組なのですが、今回は3年生の総合探究で水田の自動水量調節装置の開発に取り組んだ、清水さん・森さんが、探究の苦労や成果についてインタビューにこたえたのです。
 最後にアナウンサーが「とても学習意欲が高いですよね」と、そして教育アナリストの高橋一彦先生が「小規模校ということもあって仲良く学んでいますよね」と評してくださり、思わず私は「そうなんですよ」と心のなかでつぶやいていました。
 スタジオの皆様、ありがとうございます!

 木曽地域は山間部なのでラジオの電波が届きません。しかし、信越放送(SBC)のHPからラジオのコーナーに進んでいただければ視聴できるようになっています。
リンクのURLは以下のとおりです。もしよろしければお聞きください。
https://sbc21.co.jp/blogwp/forza/



  


「まず書物を買う」

Posted by 蘇南高等学校長. 2023年02月03日17:01
 戦前の旧読書村(現在の南木曽町)に生まれ、早稲田大学卒業後、パリ大学に学び、人々が平等に生きる理想を求めてソ連に渡り、独裁者スターリンの粛清にまきこまれた人物がいます。
 その人の名は、勝野金政。強制労働の日々を生き抜き、帰国後は参謀本部の仕事をしていましたが、終戦直前に南木曽に疎開し、終生この地で暮らしました。

 私は、大学生だった1987年、崩壊直前のソ連に滞在したことがあります。国際労働運動の歴史を研究していた恩師(西川正雄先生)の影響もあり、教員になってからも、スターリンに粛清された日本人のことを調べてきました。そしてそのなかの一人に勝野金政さんがいました。
 蘇南高校の校長になり、勝野さんのご家族の何人かと知り合うことができ、今は古本屋でも入手できない何冊かの著書を読んでいます。

 戦前に出版された『赤露脱出記』(日本評論社、1934年)は小説の形をとりながら、強制労働に必死で耐えた日々を告白しています。
 私が心をとてもうたれた一節は、収容所からようやく釈放された主人公が、最初にやったことを描写したくだりです。まずやりたかったこと――それは、古本屋に入ることでした。そして、ロシア語・フランス語辞典を二束三文の値段で買ったのです。その辞書について勝野さんはこう書いています。

  「初めて求めた友のように懐かしく力強かった」

 勝野さんはすでに亡くなられているのですが、もしお会いする機会があったのならば、私はこのくだりを読んだ感動をお伝えしたことでしょう。
 今年の卒業式の式辞は、勝野さんの書き残したものと対話をしながら組み立てる予定です。
  


「前期選抜と梅のつぼみ」

Posted by 蘇南高等学校長. 2023年02月02日17:22
 今日は、入学者前期選抜が行われました。



 蘇南高校への入学を目指す受検生の皆さんが、昨晩降った雪の残る通学路を歩いて来てくれました。前期は、作文と面接の検査です。
 目標に向かって頑張ろうとしている受検生の真剣な表情を見ながら、私は心の中でエールを贈っていました。

 前庭の梅のつぼみも少しずつふくらんできました。開花はもうすぐのように思います。

 2月10日(金)が合格発表です。



 
  


「前期選抜の受検生を温かく迎えるために」

Posted by 蘇南高等学校長. 2023年02月01日18:36
 明日は、高校入試の前期選抜です。
 今日は在校生の授業は午前のみとして、4限目に会場づくりを教職員・生徒が協力して行いました。実は、この2年間はコロナ禍の対応に追われ、教職員だけで会場づくりをしていたので、とても大変でした。改めてみんなで作業をすると、こんなに早くできるのかと驚いたのでした。

 南木曽町は終日降雪に見舞われました。夕方、通学路には塩カルを散布しましたが、明日の朝、もう一度、点検をする予定です。
 また、万一体調が不良になった受検生のために、アクリル板を机にしっかり固定できるようにしました。
 みんなが安心して受検できる環境を整えたいと思います。

 本校を目指す受検生の皆さんが、十二分に力を発揮できることを祈っています。
 どうか頑張ってください!