「ついにカナダ留学の生徒たちが現地の学校で机を並べました」

Posted by 蘇南高等学校長. 2023年03月08日15:34
 今日は、後期選抜2日目の面接検査でした。受検生全員が、コロナやインフルエンザの欠席なく無事に全日程を終えることができました。本当に良かったです。
 3月17日(金)が合格発表です。

 さて、2年生のカナダ語学研修は4日目です。

 今日は、バンクーバーのRegent Christian Academy(リージェント クリスチャン アカデミー)の通常授業に実際に参加しました。生徒たちは一人ずつ割り当てられた現地校のバディ(留学生担当もしてくれる生徒)の授業に、午前から午後3時まで全5コマ授業に参加しました。
 また授業後に行われたバディとの交流会では、日本の文化についてのプレゼンテーションを行いました。現地に入ってからの短い時間で集中して準備を進めてきましたが、日本の食文化、服装、妻籠の紹介など、それぞれのトピックについて全ての生徒が英語でスピーチを行いました。きちんと最後までやり切り、自信を得た姿が印象的でした。




 カナダの高校では、日本とは異なりホームルーム教室はなく、学生たちは自分たちのロッカーから授業時間になると教室に直接向かいます。このあたりも日本の高校生には新鮮で、異文化の同年齢の生徒たちの生活を実際に体験するだけでも学びが多かったようです。

 引率の藤居先生・小泉先生は、カナダの学校でも生徒の学びの評価に、蘇南高校でも取り組んでいるルーブリック評価が用いられており、指導する先生は「生徒が事前に評価を把握し、自分の学びに何が不足していたかを客観視できることが狙いのひとつ」と語っていて、学習指導のあり方がとても共通していることを発見した、と報告してくれました。

 広大な太平洋の両岸で、共通する教育実践です!






  


「後期選抜の学力検査とカナダ語学研修3日めの報告です」

Posted by 蘇南高等学校長. 2023年03月07日17:32
 今日は、後期選抜の学力検査でした。
 受検生が5教科の検査問題に一生懸命取り組んでいました。本校は、明日も面接検査がありますので、皆さんが万全の体調で臨んでくれることを祈っています。


 2年生のカナダ語学研修のほうは、3日目でした。
 ホームステイをしながら、午前中は語学学校で学びます。カナダの先生とすべて英語で会話をしながら、明日のプレゼンテーションの準備を進めている生徒たちの姿は、引率している教員にはとてもたくましく映ったようです。外国に来ると、かくも若者は成長するのかと。




 午後は、楽しみにしていたカーリングでした。初めての経験に試行錯誤しながらも、果敢にチャレンジしていました。最終的には競技の長さを投げられる生徒も出てきて、講師の先生からも褒められていました。

 生徒たちの体調は問題なく、元気にカナダの学びを楽しんでいます。






  


「文化のモザイクと呼ばれるカナダを楽しむ」

Posted by 蘇南高等学校長. 2023年03月06日17:50
 蘇南高校は、明日から後期選抜が始まります。
 校内の準備も完了し、受検生が落ち着いて学力検査を受けられるようにしています。
 受検生の皆さん、頑張ってくださいね。明日、お待ちしています。

 さて、2年生のカナダ語学研修の一行は、日本時間の午前3時すぎに、無事にバンクーバー空港に到着しました。約9時間のフライトでした。
 旧工場地帯であるグランビルアイランドにて自由行動でランチ、様々なお店に立ち寄ったのち、バスからチャイナタウン、ガスタウンを見学、スタンレーパークで記念撮影を含む散策を行いました。




 ガイドさんからはバンクーバーの歴史的なレクチャーを受けました。「アメリカが人種のるつぼならば、カナダは『文化のモザイク』と呼ばれ、様々な人種的背景を持つ人々が、自身の文化を継承しつつ町を作り上げている」ということを学びました。数時間の滞在でも、聞こえてくる言語が英語だけでなく、フランス語やスペイン語、タガログ語、中国語など様々であることが分かりました。
 一行は、サーレ地区に予定通りに到着し、語学学校でオリエンテーションを受けたのち、全員の生徒が各ホームステイ先へと向かいました。


 カナダ一日目の終了です。
 とてもハードなスケジュールだったので、しっかり身体を休めて明日を迎えてほしいと思います。
 でも写真の生徒たちの表情を見ると、本当にいきいきしています。


  


「2年生12名と教員2名がカナダに旅立ちました」

Posted by 蘇南高等学校長. 2023年03月05日17:33
 本日、朝9時に本校の2年生12名と教員2名がカナダ語学研修に出発しました。
 出発のセレモニーでは、代表して仙名さんがカナダでたくさんの学びをしてきたいという意気込みを述べ、保護者の皆様や先生方に見送ってもらいながらバスで旅立っていきました。


 一行は予定通りに成田空港に到着し、現在、出国手続きをしています。このあと、18時40分に離陸して、一路、カナダのバンクーバーを目指します。
 今朝の生徒たちのしっかりとした表情を見て、私はこの短期留学の成功を確信しています。

 ちなみに旅行企画を依頼した業者は近畿日本ツーリストさんです。(写真はJTBのカウンターの前ですが・・・)
 3年ぶりのカナダ語学研修になります。生徒旅費の半額、教員旅費の全額を支援していただいた南木曽町に心から御礼を申し上げます。




  


「人々の幸せのために生きていれば、必ず仲間に出会える」

Posted by 蘇南高等学校長. 2023年03月04日15:07
 本日、蘇南高校の第68回卒業式を挙行しました。3年ぶりに大勢の来賓・制限なしの保護者のご列席をいただいての開催です。
 卒業生は、総合学科に転換してから最も多い67名。担任の太田先生、田畑先生が先導しながら、大人の表情になった卒業生が入場しました。


 答辞は前生徒会長の上野さんが行いました。
 「高校生活は最初から休校とともに始まり、コロナの影響を受け、あこがれの高校生活の日常は強く制限されてきました。(略)でも生徒会長として、なんとか抑制された生活を変えたいと思い、ハピネス・チャージ(地域ボランティア)や文化祭の地域物産店(売り上げをウクライナ支援に寄付)などを試みました。私は高校生活で、「仲間の大切さ」と「挑戦することの大切さ」を学び、これまで本当に濃い3年間を過ごすことができたと思います。」

 上野さんの「濃い3年間」ということばに、この生徒たちの日々のすべてが凝縮されていると思いました。そして仲間と挑戦の大切さこそ、人生の核になるものです。
 こんなに凛として自分のことを語っている卒業生が目の前にいました。


 来賓の向井南木曽町長さんからは、「皆さんの若い力をふるさとのために貸してほしい。これからもふるさとと何らかの形でかかわってほしい。」とメッセージをいただきました。


 私の式辞「モスクワはどこにある?」は、卒業生への「最終講義」です。
 戦前にフランス経由でソ連に渡り、スターリン独裁の粛清にあって3年半の強制労働を奇跡的に生き延び、日本に帰国してからは陸軍で働き、太平洋戦争末期にふるさとの南木曽に戻ってきた、勝野金政さんのことを考えました。
 戦後、南木曽に学校を作った勝野さんですが、たちまち行き詰まり、工場も土石流で流されました。それでも木材会社を懸命に経営し、亡くなるときに「モスクワ」とつぶやいて、ひとすじの涙を流したそうです。「モスクワ」とは現実の首都ではなく、勝野さんが思い描いた理想の街のことだと思われます。
 勝野さんが亡くなって37年目に、卒業生の皆さんが蘇南高校に入学し、勝野さんほどの生死の極限ではないまでも、不自由な3年間を送りました。そして人々の幸せのためにできることを熱心に探究し、国境の向こうで苦しむ人々のために行動をしました。ヒューマニズムとインターナショナリズムという勝野さんの夢「モスクワ」は、いつのまにか蘇南高校の生徒たちの心の中に育まれていたのでした。
 人々の幸せのために生きていれば、必ず仲間に出会える。皆さんが時空を超えて勝野さんと出会ったように、です。
(式辞原稿はコチラです。)
https://www.nagano-c.ed.jp/sonan-hs/pdf/20230304_sotugyousiki_sikiji.pdf 

 これは生徒たちとの3年間で私が学んだことでした。



  


「マスクを外したかどうかではなく、若者たちがどう成長したかだ」

Posted by 蘇南高等学校長. 2023年03月03日13:59
 今日は、生徒会主催の「3年生を送る会」と蘇友会主催の「同窓会入会式」を行いました。
 
 「3年生を送る会」は、3年ぶりの開催になります。生徒も教員も「過去には何をやっていたのか」について資料を調べ直しながら手探りで企画してきました。
 部員たちや先生たちからのメッセージビデオと、3年生のこれまでを振り返る映像が流されると、いよいよ卒業式なのだという感慨が湧いてきます。そしてクイズ形式で3年間の思い出を「復習」して楽しみました。
 前生徒会長の上野さんが、「自分たちが過去にできなかった『卒業生を送る会』」を最後に経験できてとてもうれしい」と、在校生に語ってくれました。




 「同窓会入会式」も対面形式としては3年ぶりの開催です。樋口同窓会長、楯副会長・古根副会長・鈴木副会長がお越しくださり、「3年間がコロナとの闘いだったけれど、その分、君たちはこれからの人生を強くたくましく歩んでいけるはず」と、樋口会長から熱いメッセージをいただきました。
 学年幹事として小川さん・三石さんが選ばれ、横のつながりを大切にしていこうと確認しあいました。




 いよいよ明日は、第68回卒業式です。
 ニュースなどを見ると、マスクを外しているかどうかがクローズアップされてばかりいますが、本質はそこではなく、この苦しい時代を乗り越えた若者たちがどのように成長したかなのだと思います。
 
 ・・・と啖呵をきりながら、モーニングのワイシャツを自宅に忘れてしまったので、今晩は飯田をUターンしなければなりません。
 万感の思いを込めて明日に臨みます。



  


「いのちの火の歌を聴く」

Posted by 蘇南高等学校長. 2023年03月02日16:18
 全国の高校から卒業式のニュースが昨日今日とさかんに聞こえてきます。
 蘇南高校は・・・というと、まだ授業をしています!(笑)
 
 いのちの授業です。
 今日は、シンガーソングライターの小田ルイさんとの卒業対話を開催しました。
 
 3年前、コロナのために入学式の三日後から約二か月にわたる自宅待機を余儀なくされた生徒たちの心をどのように支えようかと悩んだ私は、クラスの生徒だった小田ルイさんにオンライン・コンサートをしてもらうことをお願いしました。小田さんは快く引き受けてくださり、孤独感にとらわれた生徒たちの心を優しく包み込むコンサートを実現してくれたのです。

 そのことがきっかけとなり、キャリア教育の講演とか、またもやコロナの自宅待機期間が長期化したときのオンライン・コンサートとか、生徒たちは大切な時にはいつも小田さんとオンラインでつながって、心揺さぶる小田さんの歌を聴き、また、たくさんの相談にアドバイスをいただいてきました。

 今日はその最終回。
 小田さんから「誰もが『いのちの火』を持っているから、自分の火を大切にしていこう」という語りかけがあり、「扉」という曲を歌っていただきました。
 
   明日の朝 目が覚めたら
   やっぱり 隣にいてほしい

 小田さんの歌詞とメロディーが聴いていた生徒と教員の心の奥にしみこんできて、大講義室全体が感動の空気に包まれていきました。
 あまりに心が揺さぶられて、その後の対話タイムで生徒たちが沈黙をしてしまったほどでした。

 コロナはたくさんのものを奪ったけれど、同時にたくさんの大切な出会いが生まれました。
 小田さん、今日は一生の思い出になるひとときを、ありがとうございました。





  


「カナダ語学研修の結団式を行いました」

Posted by 蘇南高等学校長. 2023年03月01日13:49
 2年生の希望者12名が、3月5日(日)~14日(火)の10日間、カナダ語学研修に旅立ちます。
 今日は、南木曽町の勝野実副町長さんをお招きして、出発直前の結団式を開催しました。

 私からは、初めての海外旅行で戸惑うであろうことをいくつか想像し、それに対する乗り越え方を生徒たちに話しました。
 戸惑いや恐怖といったものがどうしても最初はつきまといます。躊躇したときこそ、恐れを振り切って現地の人々の中に分け入り、必死にコミュニケーションをとっていくのみなのです。最初の三日間は打ちのめされるようなことが多いかもしれませんが、いつの間にか日本に戻りたくないとすら思うようになるはず。
 異文化の中で是非、たくさんのことを学んできてほしいと願っています。


 勝野副町長さんからは、蘇南高校生は南木曽町の大切な存在なので、心から応援していると、激励のことばをいただきました。
 そして生徒代表の多賀さんが、副町長さんに、支援をいただいたことへの御礼をして、「開拓者の精神で頑張って来たい」と決意を表明しました。


 いよいよ3年ぶりのカナダ語学研修が始まります。
 コロナで分断された世界に生徒たちが羽ばたいて、この世界の楽しさと奥深さを満喫してきてほしいと願っています。