「カナダには行けなかったが英会話の勉強は続いている」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年02月15日16:08
 本校には「カナダ語学研修」というプログラムがあり、学年の約3分の1の生徒が3月にカナダに旅立ちます。研修費用の半額を南木曽町から支援していただいています。
 ところが昨年に続き、今年もコロナ禍のなか、海外渡航を断念せざるをえませんでした。でも、「カナダ語学研修」に参加予定の生徒は、金曜日の放課後に英会話の補習授業を継続して学んできました。今年から松本市にある外国語学校「A to Z」と連携して、オランダ人のヨード・ヨンゲーリュス先生とオーストラリア人のフィリップ・イーサー先生に、特別英会話の講師をつとめていただいています。
 とはいえ、松本から南木曽にやってくるのは、ゆうに片道2時間半はかかります。そこで最初に対面授業を行って、あとはずっとオンライン授業を進めてきました。

 12日(金)は最終授業だったので、二人の先生が南木曽までやってきてくださり、半年ぶりの対面授業となりました。
 生徒と出会ったときの盛り上がり方が違います。「ホンモノのヨードだよね!」「画面のフィリップと同じだ!」と、当たり前なのですが、オンラインで学んできた先生と改めてじかに対面できた時の喜びが、生徒からあふれてきます。これには二人の先生も感激していました。
 最後の授業は、未来に世界のどこを旅したいかというテーマで英語を使ったコミュニケーションを楽しみました。二人の先生のもとで学んでいると、本当に英語が楽しくなるのです。

 そして何より大切なのは、「カナダ研修旅行」は中止になってしまったのですが、生徒たちが英会話の学習をずっと続けてきたという点です。未来には、必ず海外に飛び立つ機会は来ます。
 学びは高校だけで完結するものではなく、その先の人生につながっていくのです。
  


「前庭の梅が咲き始めました!」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年02月12日15:02
 寒さがやわらいできたので、懸案であった玄関に通じる正面階段を修理する工事を校用技師さんにしてもらいました。石段の一番上にある石が、年月の経過にともない、数ミリ、斜面側にずれてきていたのです。隙間に入り込んだ水が凍結して膨張したことによるものでしょう。数ミリとはいえ、石が水平になっていないわけなので、万一生徒が躓いたら危ないと心配していました。
 今日は、隙間に入り込んだ砂を掻き出し、ハンマーで石を打ち込みました。それでも残る隙間にはコンクリートを流し込みます。

 校用技師さんの仕事を眺めながら、ふと階段の下の前庭に目をやると、梅が咲き始めているのが目に留まりました。ここ南木曽にも花が咲き始めたことがわかり、とても嬉しくなりました。春の足音が確実に聞こえてきています。

 どうか、受験真っ最中の3年生の進路が決まりますように! 今日も祈るような気持ちで南木曽岳を見上げています。
  


「シラバス改革を全職員ではじめる」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年02月10日18:54
 今日は、前期選抜の諸会議のために、生徒は午前中のみの授業でした。入学予定者の発表に向けて、さまざまな準備を進めた一日でした。
 慌ただしい中ですが、同時に大切なのは、4月以降の新学期の準備でもあります。

 今日の職員会で教育課程委員長の楯先生から、シラバス(授業要項)を一新することが全職員に呼びかけられました。①あらためてそれぞれの科目で身につけたい力を明確にすること。➁その力を一年間のなかでどのように評価するのかを観点別にあらかじめ明確にすること。③授業の進み方については大枠でよい。④生徒にあらかじめ心にとめておいてほしいメッセージを記すこと。⑤どのような生徒(進路別・系列別)がこの科目を選択するよいかをはっきりさせること。⑥以上のことを担当任せでなく教科会で検討して策定すること。…このような内容です。

 どの高校もシラバスを策定しているわけですが、ともすると形式的な作業になりがちです。でも自分の科目が目指す力を、自分の学校がかかげている生徒育成方針とか学習指導要領、OECDなどの諸提言などを参照ながらあらかじめ念頭において、それを生徒と共有するためにこそ、シラバスがあるわけです。
 シラバスの策定を協働的に丁寧に行うことで、次年度の授業の基礎がかたちづくられるのでしょう。

 形式的なものに「いのち」をふきこむ試みを大切にしたいと考えています。
  


「税のポスター原画を生徒が木曽税務署長さんに贈呈する」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年02月09日19:20
 今日は、本校の3年生の古田さんがポスターの原画を木曽税務署長さんに贈呈するセレモニーを行いました。
 確定申告の折にe-Tax(イータックス、国税電子申告・納税システム)を利用することを呼びかけるポスターがほしいという署長さんからの依頼を受け、本校美術班の古田さんが原画を作成したのです。「木曽谷らしさ」「キャラクターのイータ君を入れる」などの条件をいかすべく、古田さんが工夫を重ねて創作したのが、今回の原画です。

 妻籠宿の風景のなか、スマホをもったイータ君が、ポーズを決めるというデザインにしました。イータ君は本来、「2等身」(!)なのですが、それでは風景と合わないとわかり、独自に調整したとのこと。試行錯誤の末に、いい作品に仕上がりました。
 今後、南木曽駅など公共空間に掲示していただけるようです。

 ちなみに印税などの確定申告をする私は、いつもの惰性で印刷した書類の郵送による方式を続けており、今回の古田さんの活躍に接して、自分の旧式のやり方をとても反省した次第です。
 ちなみに…を重ねると、妻籠宿のイータ君に、「水戸黄門」の風車の弥七(!)を思い出した私は、やっぱり旧型の人間かもしれません。
  


「雪のち晴れの空のもとで前期選抜をおこなう」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年02月08日19:05
 今日は、令和3年度入学者選抜の前期選抜が行われました。

 朝、いつもより早く起床して外を見ると、天気予報どおり雪で、そのうちどんどんと降り方が激しくなります。早めに出勤して、先生方が雪かきをするなか、私は緊急時に備えて電話番をしていました。

 幸いにも雪はやみ、やがて青空になりました。冬の澄んだ空に、冠雪した針葉樹の並ぶ南木曽岳がとても美しく映える、いつもの風景です。
 受検者全員がそろい、作文・面接を行うことができました。受付の時にひとりひとりが清々しい挨拶をしてくれ、一生懸命に二つの検査に取り組んでいました。

 コロナ禍のなかで予定どおりに入試本番を実施できて、ほっとしました。何より受験生の皆さんが、ほっとしたことでしょう。
 入学予定者の発表は、2月16日です。

  


「前期選抜の準備をすすめる」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年02月05日15:27
 来週の月曜日が高校入試の前期選抜なので、今日は授業を午前中で終え、午後は大掃除をしてから検査会場の設営をするなど、大忙しでした。校長室にも各係の責任者が最終打ち合わせのために次々と訪れ、大切なポイントを確認していきました。
 本校の前期選抜は、受検生に作文と面接を課しています。本番まであと三日になりました。受検生全員が体調を崩すことなく元気に本校に来てくれることを、心から祈りたいと思います。

 事務室の来客用カウンターには、本校の敷地内にある紅梅の枝を校用技師さんが一輪挿しに飾ってくれています。今朝の南木曽町はとびきり寒かったのですが、事務室のストーブの暖かさで、今日、紅梅が咲き始めました。一輪挿しは、本校美術科講師をつとめいただいている伝統工芸士の小椋一男さんの見事なろくろ工芸作品です。

 月曜日になれば、紅梅のつぼみはもっと開くでしょう。
 花々と共に受検生を迎えたいと思っています。受検生の皆さん、お待ちしています!
  


「生徒総会のイノベーション」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年02月04日17:10
 今日は、1・2年生だけの生徒総会でした。
 この生徒総会は、前期選抜の直前でもあり、全校生徒が集合することを避けて、ホームルームごとに執行部役員からの映像をつなぐオンライン方式で実施されました。
 形式的な議案書の説明をおこなったあと、①今年度の文化祭をふりかえって次年度への課題を考えること、➁次年度の文化祭をどのような文化祭にしていきたいかを考えること、について班ごとに分かれてディスカッションをおこない、その後、クラスの中でディスカッションの交流を進めました。

 いつもよりもはるかに「全員で対話をする生徒総会」になったように思います。
 生徒たちも普段の探究学習でディスカッションをする経験を重ねているので、対話に慣れてきています。

 コロナ禍でいつものようなことができなくなっているのですが、工夫して新たなスタイルに挑戦していくと、「このほうがいいんじゃない」というイノベーションの経験に出会うことがあります。
 たくましい生徒たちの姿に感心した生徒総会でした。
  


「学びの軌跡の卒業アルバム」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年02月03日18:30
 昇降口ロビーの片隅に、独特な空間ができています。
 3年生のひとりの男子が、これまでの自分の人生で制作した美術作品をアトリエ風に展示するインスタレーション(展示空間まで含めてアート作品にする手法)の作品を発表しているのです。その独特なタッチの絵画作品は、ことに私の目をひいてきました。シュルレアリスムのようなイマジネーションあふれる作品を創造する生徒だったからです。
 すでに美術系の大学にも合格しており、さらに自分の才能を磨いてくれるだろうと、大いに期待しています。

 彼のインスタレーションをみると、3年生は「学びの軌跡」を感じる自分の部屋から外に出て、新しい人生の第一歩を記そうとしているのだということを実感します。進学して新たな学びを始めるためには、「学びの軌跡」を胸に秘めつつ、未知の世界と自分への「飛躍」が必要です。
 この作品は、自分の「学びの軌跡」の卒業アルバムなのかもしれません。

 私自身の高校時代の「学びの軌跡」のインスタレーションはどのような風景だったのか。今となってはおぼろげなのですが、昨晩、論文を書いているときに、ふと「ヴァルネラビリティ」という、高校時代に大江健三郎の小説を読んでいて出会った言葉が、ふとよみがえってきました。その言葉に心揺さぶられた思いも鮮明によみがえりました。
 「学びの軌跡」は、心の片隅にしっかり生き続けているのかもしれないと思ったのでした。

  


「真心を込めて卒業式を準備していく」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年02月02日19:20
 昇降口ロビーに2階まで届く高さの足場が組まれました。校用技師さんが、正面の窓ガラスを磨くためです。
 以前にPTA役員の皆さんが高所作業車を使って外側の窓ガラスをきれいにしてくださったので、今度は内側から汚れやクモの巣を取り除いて、ピカピカの状態にしようと考えています。3月6日の卒業式の時に、3年生と保護者の皆さんを、美しい窓ガラスから差し込む温かな陽光とともに迎えたいからです。

 コロナ禍の心配な状況が続いていますので、県教育委員会の方針で、保護者は各家庭1名までの参加となりました。保護者の皆さまには本当に申し訳ありません。最後のホームルームは、密の状態となることを避けるために、保護者控室と生徒の教室をリモートでむすぶ予定です。
 本校は全校6クラスなので、在校生が入っても十分互いの距離をとることができます。社会に羽ばたいていく卒業生の姿を在校生に是非見せたいので、現段階では、全校生徒参加の卒業式にしたいと考えています。

 真心を込めて卒業式を挙行すべく、準備を進めています。
  


「日義の南宮神社の氷瀑に立ち寄る」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年02月01日19:41
 この時期は、次年度の準備のために様々な種類の校長会が開かれます。長野市で開催されることが多いので、そのたびに片道約3時間半(!)をかけて自動車を走らせます。塩尻ICで長野道に入るわけですが、そこまでの間に必ず小休憩をとることにしています。
 本校の生徒は、北は木祖村や木曽町開田高原から通っていますから、それぞれの「ふるさと」にはどんな美しい風景があるだろうかという興味をもって、あちこちを眺めるのです。生徒と会話するときに、「君のふるさとの〇〇は素敵なところだね」という話題を出すための取材です。

 今日は、木曽町日義の宮越(みやのこし)の国道脇にある「南宮神社」で小休憩をとりました。
 木曽義仲が崇敬したと言われる神社で、宮越村の産土神でもあります。この時期は、社殿の裏手の「旭の瀧」が凍りついて見事な氷瀑になっているという話を聞いていました。

 参道を進んでみると、「おおっ」と思わず声をあげてしまいます。幾重にも重なり合ったつららのカーテンの上から勢いよく滝が流れ落ちているさまが、なかなかの壮観! 実は、この滝は、嘉永年間に開削された農業用水が神社裏の岩山に隧道を作って流れていることからもたらされたもので、「信州の農業遺産」なのでした。
 国道を走っていても気づかないのに、ちょっと脇の駐車場に停まるだけで、この風景が味わえます。

 夜はライトアップがされるというので、帰路にもう一度立ち寄ることを楽しみにしていたのですが、今晩は本降りの雨になってしまいました。
 昼間、見ておいてよかった…と、まさに幸運に感謝した節分前の一日でした。