「大切なものは目に見えない」

Posted by 蘇南高等学校長. 2021年04月06日18:29
 生徒の元気な声があふれる学校は、何と素敵な空間だろうと、改めて実感した新年度のスタートです。
 令和3年度の始業式の校長講話では、サン=テグジュペリの『星の王子さま』(原題は『小さな王子』)について考えてみました。
 https://www.nagano-c.ed.jp/sonan-hs/pdf/20210406_koutyouburogu_001.pdf

 この童話の最も有名な場面は、キツネが王子に、「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えない。かんじんなことは、目に見えないんだよ。」と言うくだりです。
 では、「心で見る」とはどういうことだろうと、生徒の皆さんに問いかけたのです。
 私からの答えの提案は二つ。一つ目は、「なぜ」と問いかけながら見ること。二つ目は、前の前の「いのち」をかけがえのないものと思うこと。特に二番目のことについて、キツネの名セリフに匹敵するくらいの素敵なセリフがあります。惑星B612に帰ることを決意した王子が、「ぼく」にささやいたことばです。

「夜になったら星をながめてごらん。僕の星はとても小さいから、君は見つけることができないだろう。でもそのほうがいい。君がたくさんの星のどれかが僕の星だと思って眺めていると、君はどの星も眺めるのが好きになるよ。星がみんな、君の友達になるんだ。」

 大切なことは目には見えない。だから心で見ようとする。それは「なぜ?」と問いかけることであり、目の前のいのちをかけがえのないものと思うことだ。そのとき、見ることそれ自体が好きになり、友達が増える。
 蘇南高校の生徒が、そんな一年を過ごせますように!