「本日より木曽ケーブルテレビで蘇南高校特集が始まります」

Posted by 蘇南高等学校長. 2022年03月17日15:41
 木曽ケーブルテレビさんが、蘇南高校について番組をつくってくださいました。

(1)3年生の第11回総合探究会
   3月17日(木)~23日(水) 8:00~、20:00~
    ☛約50分の特集番組の予定です。
    ☛地域の防災のために避難路を開設した班、南木曽ねこ認知度100%計画に取り組んだ班、水田の水量自動調節装置の開発に取り組んだ班などによる全体発表のほか、全員による分科会の様子も紹介していただきます。

(2)卒業式
   3月17日(木)~23日(水)奇数時間からの「ウィークリー木曽」の中で
    ☛卒業式のダイジェスト版として紹介していただきます。昨年度の放送のあと、私は町を歩いていて何度も「テレビ見ましたよ。スピーチ良かったですよ」と声をかけられました。嬉しいとともに、次回視聴者を落胆させるわけにはいかないという大きなプレッシャーになっています。

 よろしければ、ぜひ、ご覧いただければ幸いです。

 追伸  前庭の梅の花がきれいに咲いてきました。春ですね。

  


「南木曽伝統のろくろ工芸作品に生徒が挑戦する」

Posted by 蘇南高等学校長. 2022年03月16日17:35
 2年生の選択科目「造形」では、南木曽伝統のろくろ工芸を後半期に学びます。
 妻籠宿から下伊那の阿智村に向かう清内路峠の麓にある広瀬地区に、「木地師の里」と呼ばれる集落があります。伝統工芸士の皆さんがお店を構えて、全国からお客さんが来訪しています。その伝統工芸士のお一人、ヤマイチの小椋さんのご指導をいただき、生徒たちがろくろを回して木から美しい器を造形しました。
 美しい曲線をつくると同時に、木目の美しさを浮かび上がらせるのが、ろくろ工芸の魅力です。小椋さんの指導のおかげで、生徒たちの作品も木目を実にうまくいかしています。

 写真は、お皿と一輪挿し。お皿は、(ここではお見せできませんが)底の部分も、とてもきれいに彫り出されています。
 木のいのちが、こうして新たな工芸作品になって未来につながっていくのを見て、私は感動しています。
  


「80年前にウクライナに声援をおくった木曽出身の女性について」

Posted by 蘇南高等学校長. 2022年03月15日17:55
 1895年(明治28年)に現在の木曽町福島に生まれた八木秋子という人がいます。松本市立女子職業学校(現在の松本美須々ケ丘高校)を卒業後、東京に嫁ぎますが、夫との関係に悩み、数回の家出を経て離婚。木曽に戻り、野尻や日義の小学校に勤めました。
 やがて新聞社に勤め、無政府主義(アナーキズム)の運動に参加し、治安維持法違反に問われて懲役刑に処せられます。戦時中は満洲に渡り、苦労を重ねて帰国。戦後は母子寮に勤めながら、貧しい生活のなかで文筆活動を続けました。今ではほとんど忘れられた存在ですが、『八木秋子著作集』全3巻(JCA刊行)が残されています。
 
 その著作集の第1巻に、「ウクライナ・コムミュン」という1930年に書かれた短編小説がおさめられています。第一次世界大戦後のロシア革命でボリシェヴィキ(共産党)のレーニンが権力を握りましたが、それはウクライナの人々にとっては、新たな独裁権力のもとにおかれる事態に他なりませんでした。八木は、ボリシェヴィキに反旗をひるがえしたマフノ率いる農民反乱軍を、共感をこめて描いています。自由を求めたマフノのことばを、八木は次のように描き出しました。

――無強権の自由社会(…)が不動の姿勢で胸に浸みわたり霊感づけられてさえいるならば、よしんば、最も近道をえらぶだけの見透しが欠けているにせよ、誤謬を犯すにせよ、結局は、(それを)実行することが出来る。

 たとえ遠回りの道になってしまったとしても、自由社会を目指す者は最後に勝つ。八木秋子が80年前に書いたことを、今のウクライナ情勢を見ながら、私は改めてかみしめています。
  


「生徒の下宿先に御礼にうかがう」

Posted by 蘇南高等学校長. 2022年03月14日18:31
 卒業式は無事に終わりましたが、まだやるべきことがあります。

 本校のバドミントン部員の地域外出身者は、南木曽町内の3か所の下宿にお世話になっています。
 そのうちのひとつの下宿屋さんが、先日の卒業式で3年生が巣立ったことで、経営に一区切りをつけることになりました。長年お世話になったことに対しての御礼を申し上げたくて、顧問と一緒にお宅を訪問しました。南木曽町も面積が広いので、下宿屋さんは学校からかなりの距離です。平日は学校への送り迎え、休日は練習場所への送り迎え、毎日の三食の提供、メンタルのサポートなど、どれほどのご労苦があったことでしょうか。

 今まで巣立っていったバドミントン部の生徒たちが残していった思い出のボードを見せていただきました。満面の笑顔で楽しそうな下宿生活をおくっている生徒たちの姿がそこにはありました。
 献身的に日々の営みを重ねてくださった下宿屋さんの優しさがあったからこその生徒の笑顔です。

 心から御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
  


「信州で最も早く咲く桜を見る」

Posted by 蘇南高等学校長. 2022年03月12日17:22
 長野県最南端の天龍村の中心部である平岡駅から、さらに二つ南下した駅に、伊那小沢(いなこざわ)という無人駅があります。
 このホームの傍らにあるカンザクラが、信州で最も早く咲くと言われています。昨年よりだいぶ遅く、昨日、天龍村が開花宣言をしたので、早速見に行きました。「ポツンと一軒家」が随所にある山間地で、自動車の運転にも緊張します。
 今年は、カンザクラが未だ固いつぼみの状態でしたが、隣の河津桜が3分咲きでした。青空のもと、天竜川を背景に濃いピンクがとても映えていました。

 昔に比べて駅の周囲が荒れてきたように思います。
 ずっと大切に守っていきたい風景です。作業の機会があれば、ボランティア参加したいなあ。
  


「ひきつづきよろしくお願いいたします」

Posted by 蘇南高等学校長. 2022年03月11日17:02
 本日、長野県立高等学校の校長人事が発表され、私は来年度も引き続き蘇南高等学校に勤められることになりました。こよなく愛するこの高校の生徒、保護者の皆さん、そして教職員とともに、4月からも学び続けていけます。何とうれしいことでしょう。

 すでに学校づくりの基礎はできているので、それを「守成」していくことが3年目の最大の課題です。もちろん「守る」ということは、「創造的な営み」のなかでこそ実現するものです。さらに取り組んでみたいことが、いくつもあります。皆さんと対話をしながら、一つ一つを丁寧に考え、形にしていきたいと思います。

 この2年間の校長生活で決定的に欠落していたのは、地域の行事への参加です。その分、自ら地域のなかを歩き回って多くの方々と親しくおつきあいさせていただいています。ありがたいことです。でもコロナのために中止になってきた地域の行事が少しでも復活して、さらに多くの地域の皆さんと出会えることを、3年目の楽しみにしたいと思っています。
 延期になった私の講演会のリベンジも、是非したいです。(南木曽町教育委員会の皆さん、お願いいたします!)

 写真は、卒業式の朝の玄関から見た南木曽岳。3月上旬は、ちょうど南木曽岳の鋭い山頂から太陽がのぼることに気づきました。同じ地形であっても、その見え方は、365日すべて違います。その違いを見つめていきたい。
 住めば住むほどに「美しいふるさと」に気づく蘇南高校の日々を、これからも精一杯楽しみ、創りあげていきますので、どうかよろしくお願いいたします。
  


「雪に耐えて梅花うるわし」

Posted by 蘇南高等学校長. 2022年03月10日17:24
 今日は、後期選抜の2日目で面接検査でした。受検生全員が無事に検査を受けることができました。厳しい感染状況の中での高校入試になってしまったので、とにかく全員が受検できたことに、私は安堵しています。
 昨日の学力検査にしても、感染予防のために静粛にしていることを呼びかけていますから、校舎内は休み時間やランチタイムも含めて静まり返っていました。
 今日、帰宅していく生徒たちは、とてもほっとした表情をしていました。

 前庭の梅は、先日の1輪に続いて、別の枝に2輪の花が咲きました。
 「雪に耐えて梅花うるわし」という言葉があります。
 受検生の未来に梅のような花が咲くことを祈りたいと思います。 


  


「日本の多言語情報サイトに歴史教育論を発表する」

Posted by 蘇南高等学校長. 2022年03月09日18:31
 公益財団法人ニッポンドットコムが日本の情報を世界に発信するサイト「nippon.com」に、このほど歴史教育論を発表しました。東京大学の川島真先生からお声がけをいただいてのことです。

 4月から全国の高校でスタートする新科目「歴史総合」について、その可能性と課題を論じました。この「歴史総合」は、明治以来の日本の高校教育の歴史上はじめて、日本史と世界史を統合して歴史を学ぶことになります。本来、歴史を探究するときには、「日本を含む世界」のことを視野に入れたほうがよく、この統合は大きな意義をもつと、私は考えています。
 ただし、あれもこれもと欲張りすぎると、またもや知識の詰込みに終始することになりかねません。新しい教科書を見ると、その「過積載」の懸念が高まります。
 その課題を乗り越えながら、高校の歴史教育の新たな可能性を大切に伸ばしていきたいものです。

 今回の私の論考は、数か国語に翻訳されていく予定。日本の歴史教育改革が、世界に発信されていくことになります。

 全文は、こちらです。よろしければご覧ください。https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00797/

  


「いかなる状況においても温かく」

Posted by 蘇南高等学校長. 2022年03月08日19:49
 明日は、高校入試の後期選抜です。5教科の学力検査が終日行われます。本校の場合は二日がかりで、明後日にも面接検査を行います。
 年間計画では、1・2年生に会場づくりを手伝ってもらうことになっていました。しかし、万一陽性者や濃厚接触者が発生して後期選抜に影響することをおそれ、教職員のみで準備を整えることにしました。私たちもこうした「ブリコラージュ」に慣れてきていて、あっという間に会場づくりができました。

 自分の高校入試は、はるか昔の40年前のことでした。仲の良いクラスの友人たちと別々の道にふみだす第一歩になる入試に「大きな淋しさ」と、受からなければ先に進めない「厳しい現実への緊張感」が、ないまぜになった複雑な思いで当日を迎えました。
 今、本校を受検する皆さんは、どんな思いで過ごしているのでしょうか。

 3年間で成長して素敵な若者になった卒業生の姿を見たばかりなので、「新しい自分との出会いを楽しめる蘇南高校の生活に期待して試験会場に来てほしいな」と、今の私は受検生に語りかけたい思いです。
 天気はどうか。鉄道の運行状況はどうか。(積雪はなくても野生動物と列車の衝突などアクシデントはいくらでもあります。)受検生の健康状況はどうか。明日は、早起きして、いかなる状況においても温かく受検生を迎え入れられるようにしようと思っています。

 皆さんをお待ちしています!

  


「なぜか陽射しとは反対側の枝に」

Posted by 蘇南高等学校長. 2022年03月07日20:34
 昨日の日曜日は、私の自宅の飯田市では雪が舞う寒さでした。
 今朝、清内路峠(信州の南端の峠ですが豪雪地帯!)も各所で凍結していて、おそるおそるの運転でした。

 昼間、少し寒さが緩んできたので、学校の前庭を散策すると、梅が一輪だけ咲いているのを見つけました。なぜか陽射しとは反対側の枝なのですが、一輪だけ、満開でした。

 よくぞ咲いてくれました。
 春は確実に近づいてきています。